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【初心者向け】採用管理システム(ATS)とは? 機能やメリットを解説

採用管理システム(ATS)とは?初心者に向けて機能やメリットを解説

採用管理システム(ATS)とは、企業の採用活動を一元管理し、業務効率化を図るツールを指します。人材採用難がさけばれるなか、人材の採用プロセスを効率化し、優秀な人材を確保するために、採用管理システムに注目が集まっています。

しかし、「採用管理システムを導入することで何ができるの?」「Excelから採用管理システムに切り替えるメリットは何?」といった疑問を抱く方も多いでしょう。本記事では、採用管理システムの機能やメリットを初心者の方にもわかりやすく解説します。採用業務に携わるご担当者様はぜひご参考にしてください。

採用管理システム(ATS)とは

採用管理システム(Applicant Tracking System=ATS)は、企業が人材採用プロセスを効率化し、最適な候補者を見つけるために使用するソフトウェアのことです。このシステムは、求人の公開から応募者の選考、採用までの一連のプロセスをデジタル化し、自動化することで、採用担当者の手間を大幅に軽減します。

採用管理システムを利用することで、応募者データの一元管理、選考プロセスの進捗管理、効果的なコミュニケーションなど、採用活動におけるさまざまな課題を解決することが可能になります。しかし、なぜ採用管理システムが近年、注目を集めているのでしょうか? ここでは、採用管理システムの市場規模や注目される背景を解説します。

採用管理システムの市場規模

株式会社日本能率協会総合研究所 マーケティング・データ・バンクが行った市場調査によると、採用管理システムの市場規模は2021年度で160億円となっており、さらに2027年には350億円に達すると予想されています。

引用:株式会社日本能率協会総合研究所 マーケティング・データ・バンク

このように、年々増加の一途をたどり、今後もその成長が見込まれています。採用管理システムは1990年ごろから存在していましたが、当時は大企業を中心に大量の応募データを管理することが目的でした。

しかし、クラウド型の採用管理システムが登場したことや、人材採用領域におけるDX(採用DX)が求められるようになったことで、中小企業でも導入が進んでいます。

▼採用DXについては、こちらのコラムでご紹介していますので、ぜひご参考にしてください

中小企業の採用DXに必要なこととは?採用DXとは? 中小企業こそ取り組むべき採用のデジタル化

採用管理システムが注目される理由

採用管理システムは年々市場規模を拡大しており、多くの企業が導入を進めています。その背景には、いくつかの要因が挙げられます。とくに採用力が高いといわれる企業ほど、こうした状況を敏感に察知し、採用管理システムを通じて採用活動の効率化を進めています。

  • 労働力人口の減少にともなう人材獲得競争の激化:労働力人口の減少により、限られた人材のなかで優秀な人材を確保する競争が激化しています。
  • 採用手法の増加による業務の複雑化:インターネットやSNSの普及などにより、採用手法が多様化しています。
  • 採用担当者の負担増加:採用活動の増加と複雑化により、採用担当者の業務負担が増大しています。
  • 採用活動スピードの必要性:優秀な人材は市場に長く留まらないため、迅速な採用プロセスが求められます。

▼採用力については、こちらのコラムでご紹介していますので、ぜひご参考にしてください

採用力が高い企業とは?採用を成功させるポイント採用力の高い企業とは? 採用を成功させる要素とチェックポイント

Excelでの管理ではだめなのか

多くの企業では、長らくExcelを使って採用管理を行ってきました。しかし、Excelでの管理には限界があります。なぜなら、Excelは基本的に都度入力や編集が必要になるため、大量の応募者データを効率的に管理、分析するには不向きだからです。

また、応募者ごとの選考状況の更新や共有が煩雑で、関係者同士で伝達の遅れや抜け漏れといったヒューマンエラーや、メンバー同士で認識の相違が生じやすいという問題もあります。採用プロセスの各ステップで発生するデータをリアルタイムで一元管理し、選考プロセスをスムーズに進めるためには、Excelよりも専門的な採用管理システムの利用が適しています。

採用管理システムの機能

採用管理システムは、企業が人材を採用する過程をサポートするための便利なツールです。たとえば、求人票の作成から応募者の選考管理、効果分析にいたるまで、さまざまな機能が備わっています。

ここでは、採用管理システムの主な機能を詳しくみていきましょう。

求人案件管理

採用管理システムにおける求人案件管理機能は、企業が複数の求人を簡単に作成、公開、管理できるようにするものです。この機能を利用することで、求人情報の詳細(職種、勤務地、給与、仕事内容など)を一元的に管理できます。

また、システムによっては各求人メディアの応募情報を自動収集し、システム内で一元管理が可能です。応募者がどのメディアから応募してきたか、その応募情報をリアルタイムで追跡し、管理することが容易になります。

応募者管理

応募者管理は、応募してきた人々の情報を一か所にまとめて管理する機能です。履歴書や職務経歴書など、応募者から提出された書類を整理し、採用チームが簡単にアクセスできるようにします。これにより、応募者ごとに情報を追跡し、選考プロセスをスムーズに進めることができます。

選考管理

選考管理機能は、応募者を面接や試験などの選考プロセスを通じて追跡するためのものです。面接日の設定、評価の記録、最終的な選考結果の管理など、選考に関わるすべてのステップをこのシステムで行えるため、選考プロセスが透明になり、効率的に進めることができます。

効果分析

効果分析機能は、採用活動の成果をみるためのものです。どれだけの応募があったか、どの求人サイトからの応募が多かったかなど、さまざまなデータを分析することができます。この情報をもとに、より効果的な採用戦略が立てられます。

採用ホームページ作成

採用ホームページ作成機能は、自社の採用情報を紹介する専用ページを作成できる機能です。採用ホームページを通じて、企業文化や働く環境を求職者に伝え、企業に興味を持ってもらうことが可能です。また、直接応募フォームを設置することもできるため、求職者が簡単に応募できます。

外部ツール連携

採用管理システムは、日程調整ツールやカレンダー、ビデオチャットツール、SNSなど、外部のツールとAPI連携も可能です。各ツールへシームレスにアクセスできるため、採用業務をさらに効率的に作業を進めることができます。

採用管理システムのメリット

採用管理システムを導入することで、企業は採用プロセスの多くの面で大きなメリットを享受できます。

このシステムは、応募者情報の管理、応募者対応の質の向上、採用活動の効果分析、応募数の増加、そして応募者対応のスピードアップなど、採用活動の効率化と最適化を実現します。ここでは、それぞれのメリットを詳しく解説します。

応募者情報の入力の手間が減る

システムが自動で応募者データを収集し、管理する能力を持っているため、応募者情報の入力にかかる手間が大幅に削減されます。

応募者がオンラインフォームを通じて提出した情報は自動的にシステムに保存され、プロフィールや履歴書などのデータが即座に整理されます。このプロセスにより、採用担当者はデータ入力に費やす時間を削減し、より価値の高い選考活動に集中できます。

応募者対応の抜け漏れを防止できる

採用管理システムは、応募者一人ひとりに対する対応を記録し、追跡する機能を提供します。これにより、応募者への返信忘れや重要な情報の共有漏れといった抜け漏れを防ぐことができます。

応募者からの質問に対する回答や面接日程の確認など、すべてのコミュニケーションがシステム内で管理されるため、どの応募者にどのような対応をしたかが一目でわかります。この透明性と整理された情報管理により、応募者とのコミュニケーションがスムーズになります。

採用手法ごとの効果を把握できる

採用管理システムを使用することで、異なる採用手法の効果を正確に把握し、分析することができます。システムは、どの求人広告が最も多くの応募を生んだか、どのリクルーティングイベントが最も高い応募者の質をもたらしたかなど、具体的なデータを提供します。

このデータをもとに、採用担当者は効果的な採用戦略を策定し、コストパフォーマンスの高い手法に投資することが可能になるため、結果として、採用活動のROI(投資対効果)を最大化することができます。

応募数が増加する

求人情報を広く拡散し、ターゲットとする応募者層にリーチするためのツールが採用管理システムには備わっています。これにより、企業はより多くの候補者にアプローチし、応募数を増やすことができます。

たとえば、採用管理システムで作成した求人は、Indeedや求人ボックスなどの求人検索エンジンに自動転載されるため、自社の求人募集の露出が増え、応募数の向上が期待できます。

▼求人検索エンジンについては、こちらのコラムでご紹介していますので、ぜひご参考にしてください

求人検索エンジンとは?Indeed,求人ボックス,スタンバイの違いと活用方法求人検索エンジンとは? Indeed、求人ボックス、スタンバイの違いと活用方法

応募者対応がスピーディになる

自動化されたコミュニケーションツールを利用し、応募者への返信や情報提供を迅速に行うことができます。

応募確認の自動返信メールや面接日程の自動設定など、候補者とのコミュニケーションをシステムがサポートしてくれます。スピーディな対応によって、応募者に好印象を与えられ、企業のブランドイメージ向上も期待できるでしょう。

採用管理システムのデメリット

採用管理システムは、採用プロセスの効率化に役立ちますが、導入や運用にはいくつかの注意点があります。ここでは、採用管理システムのデメリットをみていきましょう。

初期費用や月額費用がかかる

採用管理システムを導入する際は、初期設定やシステム利用料として費用が発生します。これらのシステムは高度な機能とサービスを提供するため、その対価として費用が発生します。システムの設定やカスタマイズ、継続的なサポートサービスには、一定の費用が必要になります。

とくに小規模企業やスタートアップにとっては、これらの費用が大きな負担となることがあります。この点を考慮すると、採用管理システムの導入は、予算計画とのバランスを考える必要がある投資といえます。

オペレーション業務をシステムに合わせる必要がある

新しいシステムを使い始めると、今までのやり方を変える必要性が生じることがあります。採用管理システムも同様に、採用活動のオペレーション業務をシステムに合わせて調整することが求められるでしょう。

たとえば、応募者情報の収集や選考プロセスの管理方法を採用管理システムの仕様に合わせて変更する必要があります。とくに、メンバーが従来のやり方に慣れている場合、新しいやり方を学ぶことに抵抗を示す可能性があります。また、採用管理システムに触れるメンバーが複数名いる場合、新しいシステムに慣れるまで、生産性が一時的に下がることも想定されます。

運用が浸透するまで手間と時間がかかる

採用管理システムを導入したからといって、その後の運用がスムーズに進むわけではありません。とくに新しいシステムを導入することで、従業員が反発するケースもあります。社内に浸透し、全員がうまく使えるようになるまでには、手間と時間がかかるものです。

システムを導入する目的や意味をしっかりと伝え、必要に応じて勉強会を実施したり、定例ミーティングを実施したりして、システム活用を形骸化させないことが大切です。また、新しいシステムを導入したことで成果が得られた場合、その取り組みを称賛するなど、採用管理システムの活用を積極的に推進していきましょう。

採用管理システムの導入を検討すべき状況

採用管理システムの導入を検討しているものの、費用などの理由から導入をためらう企業も多いでしょう。

しかしながら、採用管理システムを導入しないことで、採用機会の損失や、採用コストが余計にかかってしまう可能性もあります。ここでは採用管理システムの導入を検討すべき状況をお伝えしますのでご参考にしてください。

採用担当者が複数の業務を兼任している場合

採用担当者が採用活動以外にも多くの業務を担当している場合、採用管理システムの導入を検討すべきです。このような状況では、採用活動に十分な時間を割くことが難しく、結果として採用プロセスが遅れたり、質が低下したりする可能性があります。

Indeed Japan株式会社が行った「採用担当者の業務実態」に関する調査によると、採用実務担当者の72.4%が人事・採用以外の業務(総務・労務など)を兼任していることがわかりました。

引用:「採用担当者の業務実態」に関する調査を実施(Indeed)

たとえば、採用担当者が人事管理や給与計算などの業務に追われていると、応募者への返信が遅れたり、適切な候補者の見逃しにつながることがあります。採用管理システムを導入することで、応募者管理やコミュニケーションの自動化が可能になり、採用担当者は限られた時間のなかでも効率的に業務を進めることができます。

参照:「採用担当者の業務実態」に関する調査を実施(Indeed)

選考辞退または連絡が取れないケースが多い場合

選考プロセス中に候補者からの辞退が多い、または連絡が取れなくなるケースが多い場合も、採用管理システムの導入を検討すべきです。Indeed Japan株式会社が行った「採用担当者の業務実態」に関する調査によると、採用担当者の74.9%が、応募者と連絡が取れなくなった経験(ゴースティング)をしています。

採用管理システムを利用することで、選考ステータスの透明性が高まり、応募者とのコミュニケーションを円滑に進めることが可能です。これにより、候補者のエンゲージメントを維持し、選考活動をスムーズに進めることができます。

参照:「採用担当者の業務実態」に関する調査を実施(Indeed)

採用コストが増加している場合

採用コストが年々増加している状況は、企業にとって重要なシグナルです。仮に、採用コストの増加が、事業計画にもとづいて採用人数を増やした結果であれば、とくに問題はないかもしれません。事業が成長し、それにともない多くの人材を必要としている場合、採用活動にかかるコストの増加は自然な流れといえます。

しかし、ひとりあたりの採用単価が増加している場合や、採用に関わる人件費や諸経費といった内部コストが増えている場合は注意が必要です。こうした状況は、採用プロセスの非効率性や採用チャネルの最適化が不十分であることを示唆しているため、採用活動の見直しが求められます。

まとめ:採用管理システム(ATS)は、採用プロセスの効率化に役立ちます!

採用管理システムは、企業の採用プロセスを効率化し、最適化するための強力なツールです。このシステムを利用することで、求人案件の管理、応募者の選考、採用活動の分析などが簡単になり、企業は適切な候補者をより効率的に獲得できます。

しかし、導入には初期費用や運用の調整が必要であり、従業員の適応にも時間がかかることがあります。とくに、採用担当者の業務負担が大きい、応募者の管理が難しい、採用コストが増加しているなどの状況では、採用管理システムの導入は有効な手段です。

導入を検討する際には、そのメリットとデメリットをしっかりと理解したうえで、導入を決断することが重要です。導入後はオペレーションを見直しながら、適切に運用することで、採用プロセスの効率化とコストの最適化が果たされるでしょう。

<記事監修:高橋 洋介>

リクルートと広告代理店にて求人広告営業に従事。主に中小企業を中心としたアルバイト・中途社員の採用支援を行う。在職中にGCDFキャリアカウンセラー、国家資格キャリアコンサルタント資格も取得。独立後はフリーランスとして企業の採用実務支援から、WEBマーケティング支援など幅広く活動している。

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