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中小企業が採用に苦戦する理由とは?費用をかけずに採用力を高める方法を紹介

中小企業が採用に苦戦する理由とは?

人口減少や価値観の変化により、多くの中小企業では人材確保に苦戦しています。実際に、限られたリソースの中で適切な人材を見つけ出し、採用することは容易ではありません。

しかし、採用活動の改善に取り組むことで、高額な費用をかけずとも採用力を高めることが可能です。本記事では、中小企業が直面する採用の課題を整理し、優秀な人材を確保するための具体的な方法を提案します。自社の採用活動に課題を感じている経営者様や採用担当者様はぜひ参考にしてください。

中小企業が採用に苦戦する理由とは

現在では多くの中小企業が採用に苦戦しています。なぜ、中小企業は採用活動が思うようにいかないのでしょうか。

企業によってその要因はさまざまですが、大きな理由として主に3つ挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

採用活動に予算やリソースを割けない

中小企業は、大手企業に比べて採用活動に必要な予算やリソースを十分に割けないことが多いです。なかでも求人広告の掲載費用や人材紹介の高額な紹介手数料は財務に重くのしかかります。

さらに、多くの中小企業では人事部門が存在しないため、経営者や総務部門などがほかの業務と並行して採用活動を行っているケースも珍しくありません。その結果、細やかでスピーディな対応が妨げられています。

例えば、経営者自らが採用活動を行っているため、採用に関する戦略的な取り組みが後回しになってしまうケースも見られます。このように、予算とリソースの制約は中小企業の採用活動を大きく制限する要因となっています。

採用専任担当者が不在でノウハウが不足している

採用専任の担当者を配置することができず、経験やノウハウを蓄積していくことができないことも採用に苦戦する一因です。採用に関する専門知識や経験を持つ人材がいないことで、採用活動の問題点を特定することや、新しい採用手法に取り組むことができずにいます。その結果、採用活動が場当たり的なものになりがちで、採用コストの上昇に陥っているのです。

例えば、採用市場のトレンドにあわせた求人広告の工夫や、効果的な採用チャネルの選定ができず、結果として優秀な人材の獲得機会を逃してしまいます。したがって、採用専任担当者の不在とノウハウの不足は、中小企業の採用効率を低下させる大きな要因といえるでしょう。

大手に比べて知名度や条件面が劣っている

大手企業は知名度の高さと充実した条件・福利厚生により、求職者を惹きつけやすいといった強みがあります。一方、中小企業は認知度が低く、条件や福利厚生面で大手企業に劣ることも多いため、優秀な人材の獲得を困難にしています。

例えば、大手企業に比べて給与水準やキャリアアップの機会が限られている中小企業では、若手の優秀な人材を惹きつけるのが難しい傾向にあります。このように、知名度や条件面での不利は中小企業の採用活動における大きな障壁であるといえるでしょう。

中小企業でも採用がうまく行っている企業の特徴

中小企業は全体的に採用活動に苦戦していますが、そのなかでも人材採用がうまく行っている中小企業は存在します。

こうした企業は、自社の知名度や条件にとらわれず、創意工夫によって優秀な人材の獲得に成功しているのです。ここでは、人材採用がうまくいっている企業の特徴を3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

採用ターゲットを明確にしている

採用がうまく行っている中小企業は、採用ターゲットを明確にしています。多くの企業では、求人広告を掲載しても応募が集まらないことから、1件でも応募数を増やすことに焦点が当たりがちです。その結果、「誰でもできる簡単な仕事です。」「アットホームな職場です。」といった、当たり障りのない文言が並ぶ求人広告が作成され、本当に必要な人材には響かないことがあります。

一方、成功している企業は、求める人材の特性を明確にし、そのターゲットに合った訴求を行っています。例えば、特定の技術やスキルを持つ人材を求める場合、そのスキルを活かせる具体的なプロジェクトやキャリアパスを強調することで、適切な応募者を惹きつけています。このように、採用ターゲットを明確にすることは、適切な人材を惹きつける上で非常に重要です。

新しい採用手法に積極的に取り組んでいる

時代の変化にあわせて、求職者の仕事選びも多様化しています。人材採用に成功している中小企業は、こうした採用トレンドを敏感に察知し、常に新しい採用手法に積極的に取り組んでいることが特徴です。

新しい採用手法に取り組むことで、中小企業は多様なチャネルから適切な人材を惹きつけることができます。近年注目されている新しい採用手法を下記の表にまとめましたので、参考にしてください。

採用手法特徴
リファラル採用既存社員の人脈ネットワークを活用して候補者を紹介してもらう
ダイレクトリクルーティング求職者データベースをもとに候補者に直接アプローチする
オウンドメディアリクルーティング自社のメディアを活用して魅力を発信し、応募を促す
求人検索エンジン求人検索エンジンを利用して露出を増やす
ソーシャルリクルーティングSNSを活用した採用活動を行う
アルムナイ採用過去に在籍していた社員を再び採用する
タレントプール潜在的な候補者をデータベースに蓄積し、必要に応じて接触する
ミートアップイベント、セミナー、勉強会を通じて候補者と関係を築く

検証と改善を徹底的に繰り返している

採用活動がうまくいっている中小企業は、検証と改善を徹底しています。これらの企業では、一度の採用活動で終わらせず、応募がどのように来たか、どのような人が応募したか、何がきっかけだったかなど、定性的な部分も含めて検証し、次回の採用活動に生かしています。

例えば、特定の求人広告からの応募が多かった場合、その広告のどの部分が効果的だったのかを分析し、他の求人広告にもその要素を取り入れるなどの改善を行っています。このように、検証と改善を繰り返すことで、より効果的な採用活動を実現しています。

優秀な人材を獲得するために中小企業が取り組むべきこと

中小企業が優秀な人材を獲得するためには、採用戦略を見直し、より柔軟かつきめ細やかなアプローチを図ることが重要です。ここでは、中小企業が取り組むべきことをいくつか紹介しますので、参考にしてください。

応募のハードルを下げる

応募のハードルを下げることで、企業はより多くの求職者と接点を持つことができます。求職者が興味を持ちつつも応募に踏み切れない場合、応募プロセスを簡素化することで、その障壁を取り除くことが可能です。

具体的には次のような方法があります。

  • カジュアル面談
  • 職場見学会
  • 先輩社員との座談会
  • オンライン面接
  • 履歴書不要
  • 私服来社OK
  • 子連れ面接OK

これらの方法は、求職者の心理的な負担を軽減し、より多くの応募を促します。「採用活動はこうしなければならない」といった常識を疑い、より気軽に応募できる環境を整えることが、結果として多様な人材と出会うための機会となります。

オンライン面接の始め方はこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

WEB面接ツールおすすめ5選WEB面接ツールのおすすめ5選!採用管理一体型など特徴別にご紹介

働き方の多様性をもたせる

働き方の多様性を提供することで、中小企業はより幅広い人材を惹きつけることが可能です。求職者はさまざまな事情を抱えており、特に子育てや介護、リモートワークへの希望など、働く時間や場所に制約がある人も少なくありません。

例えば、時短勤務の正社員、週休3日制の正社員、フルリモートワーク、副業OKなどの働き方を提供することで、多様なニーズに応えることができます。「自社では、そこまで対応できない」と諦めるのではなく、「この仕事ならできるのではないか」と考え、まずは小さく始めてみることが大切です。

条件・待遇以外の魅力を発信し続ける

条件や待遇以外の魅力を積極的に発信することで、中小企業は求職者の関心を惹きつけることができます。求職者は単に条件や待遇だけで仕事を選んでいるわけではないため、求人広告だけでは伝えきれない情報を、SNSやブログなどを通じて発信することが効果的です。

例えば、SNSやブログなどで、企業文化や働く環境の魅力を伝えることで、求職者の興味を惹きつけ、応募につながることもあります。また、求人広告で自社のことを初めて知った求職者が、SNSで再検索して

会社の雰囲気を知り、応募意欲が高まるといった効果もあります。

したがって、条件・待遇以外の魅力を継続的に発信することは、中小企業が優秀な人材を惹きつけるための重要な手段です。SNSを使った採用活動のやり方は、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

採用におけるSNS活用術_Twitter採用編Twitterで採用?SNSを使った採用のメリットと注意点、効果的な活用方法

応募者に丁寧に対応する

応募者に対する丁寧な対応は、中小企業のブランドイメージを高め、自社のファン獲得にもつながります。応募者との接点は、単なる採用活動を超えた企業のブランド構築の機会です。たとえそのタイミングで採用に至らなくても、丁寧な対応をすることで応募者が自社のファンにもなることもあります。逆に、不適切な対応はSNSでの炎上や顧客離れにつながるリスクもあるので注意しましょう。

例えば、内定辞退者に対しても前向きなエールを送ることで、その人が将来的に自社の製品やサービスを利用するきっかけになることがあります。また、転職を希望している知人に自社を紹介してくれるかもしれません。

人と人はどこで繋がっているかわからないものです。したがって、応募者一人ひとりに丁寧に対応することは、中小企業にとって長期的な価値を生み出す重要な行動といえるでしょう。

社員全員で採用活動に取り組む

社員全員が採用活動に参加することで、企業文化の理解を深め、エンゲージメント(帰属意識)の向上につながります。その際、人事部門だけでなく、他部門の社員も含めた「全社採用プロジェクト」を立ち上げることで、さまざまな視点からのアイデアが出され、企業の魅力をより多角的に伝えることが可能です。

例えば、面接や会社説明会をプロジェクト参加者が持ち回りで行うことで、応募者に対してより幅広い視点から企業を紹介でき、応募者にとっても魅力的な情報を得る機会になります。また、面接で来社した方に「本日面接の◯◯さんですよね。頑張ってくださいね!」と一言かけるだけでも、求職者は自社に好印象を抱くでしょう。

社員側にとっても、採用活動に関わることで自社の良さを再認識し、ロイヤリティが高まる効果も期待できます。このように、全社で採用活動を行うことは、中小企業の内外におけるブランド強化につながる効果的な取り組みです。

コストがかからない採用活動を行う

低コストまたは無料でできる採用活動を通年で行うことは、中小企業にとって効率的な採用戦略です。予算の制約がある中小企業にとって、採用ホームページや無料で掲載できる求人媒体(ハローワーク、Indeedなど)の活用は、コストを抑えつつ効果的な人材獲得を可能にします。

これらの手法は、低コストでありながら広範な応募者にリーチすることができます。例えば、自社のWEBサイトやブログで魅力的な企業文化を発信することで、求職者の関心を惹き、応募につなげることができます。

したがって、コストがかからない採用活動を行うことは、中小企業にとって重要な採用戦略といえるでしょう。無料で使える採用手法はこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

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求人情報をブラッシュアップする

求人情報をブラッシュアップすることは、中小企業が魅力的な候補者を惹きつけるための重要なステップです。仕事内容や条件を具体的に記載することで、求職者は自分に合った仕事かどうかをより明確に判断できます。また、魅力的な写真を掲載することで、職場の雰囲気や企業文化を視覚的に伝えることができます。

例えば、実際の仕事シーンや社員の活動風景を掲載することで、求職者に対してよりリアルな職場のイメージを提供できます。このように、求人情報を丁寧に作り込み、定期的にブラッシュアップすることは、中小企業が適切な人材を惹きつける上で欠かせない取り組みです。

企業イメージを刷新する

企業イメージの刷新は、中小企業が新しい人材を惹きつけるための重要な戦略です。オシャレな制服の導入、ホームページデザインの改善、私服勤務の許可、オフィスレイアウトの変更など、企業文化や働き方の刷新は、特に若い世代の求職者にとって魅力的な要素となります。

例えば、モダンでスタイリッシュなホームページは、企業の前向きなイメージを伝え、求職者の関心を惹きます。企業イメージを積極的に刷新することで、中小企業はより多くの人材に自社をアピールすることが可能です。

ITツールを導入し業務効率化を図る

ITツールの導入による業務効率化は、中小企業の生産性向上に直結します。ITツールを活用することで、日常業務の負荷を軽減し、組織全体の生産性を高めることができます。これにより、浮いた予算を給与に還元する余裕が生まれ、従業員の満足度向上につながります。

例えば、クラウドベースのドキュメント管理システムや自動化ツールを導入したり、生成AIなどを活用することで、時間を要する作業を効率化し、従業員がより創造的な業務に集中できるようになります。このように、ITツールを積極的に導入し業務効率化を図ることは、中小企業の競争力を高める重要な手段です。

生成AIを活用した求人作成のやり方をこちらの記事でまとめていますので、参考にしてください。

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まとめ:中小企業でも工夫次第で採用力を高めることが可能

中小企業にとって人材採用を取り巻く環境は一層厳しさを増しています。一方、オンラインツールやSNSが普及したことで、求人広告代理店や人材紹介会社に頼らずとも、適切な戦略と工夫次第で採用力を高めることが可能です。

本記事で紹介したとおり、採用ターゲットの明確化、新しい採用手法への取り組み、応募のハードルを下げる工夫、働き方の多様性の提供、条件以外の魅力の発信をすることで、自社のブランド力が強化され優秀な人材確保につながるでしょう。


<記事監修:高橋 洋介>

リクルートと広告代理店にて求人広告営業に従事。主に中小企業を中心としたアルバイト・中途社員の採用支援を行う。在職中にGCDFキャリアカウンセラー、国家資格キャリアコンサルタント資格も取得。独立後はフリーランスとして企業の採用実務支援から、WEBマーケティング支援など幅広く活動している。